歯ぎしり
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歯ぎしりが原因と考えられる不快症状や、歯の破折を訴えて来院なさる患者さまがいらっしゃいます。歯ぎしりはなかなか自覚しにくく、昼間に診察しても就寝中の歯ぎしりの頻度や程度を知るのは困難です。それでも、歯の減り具合や揺れなどによって、おおまかな想像はつきます。
問題は、歯ぎしりをしているという自覚がない方が多いことです。口腔内写真や模型をお見せすると納得されますが、半信半疑の様子です。「人に言われたことがありません」と、当院では6割以上の患者さまから同じ答えが返ってきます。「歯ぎしりをしていてもギリギリ音がしない場合があります」と説明しますが、歯ぎしりを自覚なさっていない方が多いようです。歯ぎしりは、歯を強く噛みしめた時の数倍~十数倍もの力がかかるという説があります。
そもそも、人はなぜ歯ぎしりをするのでしょうか。噛み合わせのずれや疲労、精神的ストレスなど、色々と原因は指摘されていますが、実は歯ぎしりの原因ははっきり分かっていないのが現状です。したがって、歯ぎしりの治療は対症療法が中心になります。代表的な治療方法の一つに、歯型に合わせて作った合成樹脂製のマウスピースをはめて眠る「スプリント療法」があります。歯への負担を軽くし、歯ぎしりを軽減することが期待できます。健康保険を適用することができ、噛み合わせの調整と併用して治療することがおすすめです。
歯科医院での治療も大切ですが、就寝時の環境作りも工夫してみましょう。 室温や枕、ベッドなど安眠しやすい環境を用意し、顎を枕に押しつけずあおむけで寝るようにすることも大切です。